「なぜ?」と「なんのために?」の違い。それからファンクショナルアプローチについて。
先日、と言っても2ヶ月も前ですが、『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ』という書籍を読みました。
その書籍の中で「なぜ?」と「何のために?」という問いは違う、「なぜ?」は原因を探る問いかけであり、「なんのために?」は目的を探る問いかけだいう話がありました。その通りなのですが、実際に「何のために?」という問いかけを今までしたことはなかった(なかったというよりは明確に分ける問いかけをしてこんかった)ので新鮮でした。今までは「なぜ?」という問いかけの中に、原因と目的の両方をごっちゃにしていました。分析作業で情報整理を行うので、最終的にはこれは課題的なもの、こちらはニーズやウォンツ的なものっと分けて考えてはいましたが、この単純な問いかけの使い分けができていたら、もしかすると違った解釈を生み出せた可能性があるのでは?と思ってしまいました。
とさてさて、今回は「何ために?」という問いかけから、目的思考で物事の論理性を組み立てるファンクショナル・アプローチという手法を試してみることにします。この手法はマクロ的視点、ミクロ的視点をいったりきたりするのに、きわめて単純で、しかし強力に実行できるツールではないかと思いました。この手法の役目は大きくは2つ。1つはある物事をうまく機能させるための問題個所の探索。次に、問題解決のアプローチ箇所の探索と解決方法のアイデア出しにあります。
このファンクショナル・アプローチの例題を探していたところ、「社内限定のFBで定期的に発信していた仕事に役立つ情報を、外部のお客様へも発信してはどうか」と上司から打診が先日あったので、今回は「情報発信のためのブログ運営」について、ファンクショナルアプローチで考えてみることにしました。
やり方はまず、テーマに対する構成要素を書き出すところから始まります(下図①の部分)。この構成要素の切り出し方にルールはないらしく、サービスであれば作業ステップや役割分担、時間的な区切りなどで、プロダクトであれば機能や部品などで区切るとよいようです。今回はサービスなので作業ステップで区切って考えてみました。
・テーマ:「ブログを運営する」
・構成要素:「A 情報収集する」、「B 記事を作成する」、「C 記事を投稿する」、
「D 反応を確認する」、「E 紹介を行う」、「F コミュニケーションを行う」
次に、ファンクションを各構成要素ごとに出していきます(上図②の部分)。
書き方としては「●●を~~する」という書き方で、複数の事象を一緒に書かないように、1つの要素を1つの紙に書きわけます。さらに、どれが構成要素Aのファンクションかわかるように、各ファンクションにはそれぞれラベル付けを行います。
ところでファンクションが何かというと、
個人的な理解としては、やや硬くなりそうですが、ファンクションとは他のものに関連して変化するもの、効果や効能、作用、働き、機能を指している。そして、あるものそのものの性質を表すと同時に、関連する事物との繋がりをも表しているものがファンクションだと思っています。しかしよくわからない場合は、単純に”機能”と考えておくのがまずは混乱せずに済むかもしれませんね。
さて次の作業ですが、上図②で出した各ファンクションを構成要素に縛られることなく繋げていく作業に入ります。
まずは適当にファンクションを1枚とり、「このファンクションは何のために?」と目的思考の問いかけを行います。その問いかけに当てはまるファンクションを探し、見つけたら左側に繋げるように置いていきます。
このとき、適当なファンクションが見つけられなければ、その場でファンクションを書いて付け足してかまいません。以下、同様の作業を繰り返して行い、下図のような目的思考型のロジックツリー(ファンクショナル・ダイアグラム)を作成していきます。
なお、下図の薄い緑色はロジックツリー作成中に新しく追加したファンクションになります・・・ずいぶんとたくさんでたので、最初の思考が不十分だったのかなと(汗)
ロジックツリーが完成したら、きちんと論理だっているのかチェックをしてみましょう。チェック方法は、上位の機能をA、下位の機能をBと考えた場合、以下の問いかけに矛盾がでなければOKとなります(機能Aを実行するための”どうやって?”を、機能Bが矛盾なく持っているのか?)。
①「もし”機能A”が必要なくなれば、”機能B”も必要なくなるか?」
②「”機能B”は”機能A”の達成に貢献しているか?」
③「もし”機能B”が機能しなければ、”機能A”は機能しないか?」
以上の作業が完成したらロジックツリーは完了です。実はこのとき、右から2番目にくる上位ファンクションまでを使うと(ここでは3つ)、ブログ運営のコンセプトが簡単に作成できます。では実際に足してみましょう。
コンセプト:
オフィシャルでは出せない情報を載せ、
単純接触回数を増やし、
自社のイメージを増やす(もしくは親しみを作る)ブログを運営する
さてしかし、目的はロジックツリーを作ることではなく、「ある物事をうまく機能させるための問題個所の探索」と「問題解決のアプローチ箇所の探索と解決方法のアイデア出し」がファンクショナルアプローチの目的です。つまりこれから、ブログ運営をよりよくするために問題・課題となる箇所を発見し、問題・課題を解決するアイデア出しをやっていくことになります。まぁ、今回はそもそもアイデア出ししながらロジックツリーに落としたため、課題点とそこに対するアイデアも同時に考えながら作っていましたのでここで止めておきます。3か月後くらいに、PDCAを回すためにもまたやってみようかなと思いました。
あと実は、いくつかロジックツリーに組み込めないファンクションがありました。上図はあまったファンクションでロジックツリーをくみ上げたものになります。
現状の思考の流れでは繋がらないのではないか、違う見方をしたらくっつけられるのではないかとも考えましたがダメでした。とりあえずツリーの脇においておくことにしました。もしかすると、よりよい運営をするためでなく、運営を中止する方向のファンクションだったので、分かれててもいいのかもしれませんね。
さて一通りやってみた感想ですが、目的思考でのロジックになっているので「それって本当に必要?重要度は低いんじゃない?」などと考えるときに、チェックもつけやすいので非常にやりやすいなと感じました。
それとファンクションをロジックツリーに積み上げていくと、必然的に大事なポイントが上位ファンクションとなっていくので、コンセプトを描きやすいと思いました。
そして、この上位ファンクションを別のアプローチに置き換えることで、ガラリとアイデアを替える必要性が発生するので、積み上げてから壊すというアイデア出しにも役立つのではないかと感じました。
というところで久しぶりの投稿でした。
参考書籍
0コメント