西表島からステークホルダーマップを描く その2

石垣島旅行の3日目、西表島でトレッキングとシュノーケリングをしました。

Webサイト名は忘れてしまったのですが、どこかのポータルサイトでツアー紹介を見て、そこに掲載されていた番号に電話をかけ、やまねこ観光(西表島観光センター)でツアーの予約をしました。事前準備物も予約電話のさいに簡単に説明されただけでメール確認もありません。「あぁ、離島っぽい。ど田舎のサービスっぽいなぁ」とか思いつつ、ネット時代のサービスに浸りすぎているせいで、確認メールがないことに少し不安と面倒さを覚えました。ま、これも旅の味わいの1つでしょう(笑)

当日、朝8時前にホテルを出て、フェリーターミナルの駐車場にレンタカーを止めました。やまねこ観光の窓口に一度行くという話だったので窓口に行って参加者登録。次にフェリーのチケットを購入するために八重山観光の窓口に行くように言われ、フェリーのチケットを購入。その後、八重山観光フェリーの乗るために桟橋へ行くとすでに行列が・・・と思っている間に人がいっぱいすぎて乗れないという状況に。「どーしよう・・・」っと思っていると、観光の受付の人が並んでる僕を見つけにきて「現地のガイドさんに連絡をしたので次の便で大丈夫ですよ。たぶんすぐ来るから。」と報告してくれました。いつものことなのか、時間に無いフェリーが第二便としてすぐ出たので15分程度の遅れでツアーガイドさんと合流することができました。


ステークホルダーマップを描く (ユーザ サービス体験前)

さて、上記の話は実際に私が体験した内容を書いていますが、何人かステークホルダーも登場しましたよね。まずはユーザをメインにして、サービスを体験する前の状態についてステークホルダーマップを記述してみます。ステークホルダーのレベル感は組織単位として、簡単なマップをまずは描くことにします。

それからもちろん、先ほどの話には出てこなかったけれど他にもステークホルダーはいますので、そういうユーザから見えないステークホルダーはマップでは半透明にして描いています(下図の点線から右側のステークホルダー)。

なお、ステークホルダーの左上に追加した「ウェブサイト」は補足情報で、ノードではありません。ノードにはステークホルダーが入るのが原則です。ただ、下側にある「ポータルウェブサイト」は観光協会についてユーザが意識していないため、いったんノード扱いとしています。

少し話はそれますが、人間中心デザインのサービス設計では、ユーザから見えない範囲のステークホルダーの範囲をバックエンド、ユーザから見えている(直接、接触している)ステークホルダーの範囲をフロントエンドと言います。

これらを分けて考える理由は、サービスを受けるユーザ側の話だけでなく、従業員のオペレーションの流れも含めてサービス設計をするべきだという発想があるからです。関係性を見直す今回の目的でも、そこを意識しておきたいと思います。ちなみに、フロントエンドとバックエンドを考慮してサービス設計を行うツールにはデザインや起業系コンサルタントが使っているサービス・ブループリントがあります。


作成したマップを見て「すっごいタンパクだけど、旅行者とツアー会社との関係なんてこんなもんだろ」と。何か物足りない気がしますか?ちなみに僕は物足りない気がしました。だけど、ステークホルダー間の関係を繋げて、提供価値の流れを描く作業これでおしましいです。ステークホルダーマップはできました。

ただしここまでは下準備です。マップを作る目的は”課題”を見つけたり、”ステークホルダーの関係性を変える”ことです。マップを描いた後に、サービスを受けたユーザの具体的な体験を考慮して課題を発見する分析作業や新しい関係性を描く検討作業が発生するのです。マップだけ作った状態で物足りなさを感じるのはそのためです。


 STEP1:マップに「ステークホルダー」、「繋がりとフロー」、「価値」を描く

 STEP2:具体的な出来事の話をふまえて課題を発見する分析作業を行う

 STEP3:マップに発見した課題を記入する


ステークホルダーマップを描く (ユーザ サービス体験後)

いったんSTEP2以降の作業はおいておいて、STEP1で他にもマップを作っていきます。今度はサービス体験後のマップを作りますが、その前にまた具体的な旅行の話に戻ります。

西表島に到着すると、フェリー乗り場を降りたところにガイドさんが看板を持って立っていました。挨拶もそうそうにバンに乗せられるとショップへ寄ります。氏名住所や健康状態を記入する紙に記入をすませるといよいよカヌー&トレッキングのツアーに出発です!

目的地はピナイサーラの滝。仲間川をカヌーで30分ほど進み、ジャングルちっくな山道をこれまた30分ほど登ったところにある滝です。滝壺では泳ぐことも可能なので、夏にいくときっと爽快間違いなしです!ちなみに、崖の上にも行くことができ、上から滝が落ちていくのを眺めることもできるそうです。怖いですが・・・。

ピナイサーラの滝から戻ると、次はシュノーケリングです。ここでガイド屋さんが代わります。そして、なぜか外人さんグループや他の日本人グループと一緒になります。
つまりこういうことです。やまねこ観光は複数の業者さんが持ってるサービスをパッケージ化して紹介しているだけで、現場ではそれぞれのガイド屋さんのスタッフが個々にユーザとやりとりをしていたというわけです。

さて、シュノーケリングは折れた珊瑚が潮の流れで堆積してできた幻の島”バラス島”、それから上原港近くにある2~8メートル程度の浅瀬で2回ほど行いました。
バラス島は景色がとてもいいです。地平線まで青緑色をした美しい景色が続きます(あいにく曇りでしたが、それでも十分綺麗)。上原港近くの浅瀬でのシュノーケルはいろいろな珊瑚がびっしり生えており、とにかく圧巻です。岩場も潜るのに楽しい地形で、本当に行ってよかったです。楽しい時間はあっという間にすぎ、ショップに戻ってシャワーを浴びたら各自解散、ツアーはここで終了です。終了というか、誰もそんなことは言ってくれませんが(笑。その日は石垣港フェリーターミナルに戻ってからチラシ置き場でガイドツアーを物色し、石垣島の現地の料理をお腹いっぱい食べて、満足してホテルに向かったのでした。

しかじか、2つの業者さんはとてもいい方たちでした。また是非お願いしたいくらい楽しく、知識もある方たちでした。次はツアーではなくて直接、連絡をしてもいいかもなと思うくらいです。
というところで、サービス体験後のステークホルダーマップを描いてみました。

体験前に半透明にしていたステークホルダーが現地でわかったので、見える化を行いました。次に、サービスを体験したことで、やまねこ観光の先にある各業者さんの存在もわかり、連絡も可能となったので黄色の線で新しいリンク線を引いています。また、ガイド屋さんのショップでは宿泊サービスもあるとわかったので、宿泊施設のアイコンを黄色で追加しています。さらに、ガイドさんとの現地でのやりとりで信頼感や安心感も醸成されたので、ハートマークのアイコンで感情を書き入れました。


これでユーザのサービス体験前と後のステークホルダーマップができました。比較して考えて見ると、サービス体験後ではユーザはツアー観光業者が複数あることやその向こうに個別のサービス業者があることも知り、選択肢の幅が広がったのがわかります。

「では、サービス体験後の状態をサービス体験前に得ることはできなかったのか?」などと考え始めたくなりますが、STEP2以降の作業なので今回はグッと我慢(笑。
次回は、ステークホルダーのメインを業者さん代えてマップを描きたいと思います。

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